遮光カーテン

私のランドセル

時計が左周りだったら、あの時の私たちを救済できるのだろうか。

もう半纏を羽織って6年が経った、就職先も決まったあの夜

家族に恩返しができた、就活体験期には鼻高々にそう語った。

芯の無い鉛筆をベットに転がし、バネが緩んだ写真立てと目が合う

あのとき自分が中学受験をしたせいで親友が見えなくなった

沢山の時間を過ごした、手放しの自転車で笑う君は

小学生の私を助けてくれた憧れのヒーローだった。

それから中学生になり、スクールバスで君と私と近所の友人3人で

隣町の学校に行くようになった。

スマホに目を落としながら、私と会話してくれたあの時間が

歯車が戻らくなった家庭と卒業式だけが楽しみな中学生活を繋いでくれたよ。

3年間クラスも違ったし、スクールバスで君を探すのを辞めて1年が経った。

原因は知らない、でも卒業式で顔を合わせることができなかった。

それから7年経ったけど、君の家のインターホンを押せない

私は凡人だ、臆病で賢くなくて不安症で素直になれなくて独りボッチだった。 でも今はこうして社会人として地元を飛び出して生きている。 地元でもう一度親友3人で写真を撮りたい。

「特別な人間じゃなくても輝けることを証明する」

会社から支給された6畳にすがりつく人生を私は来年やめる。

1年後の私を信じてる、だって自分だけの人生だし。