夏休みの宿題

20歳の自分へ

人の集まりがオンラインに移動して4ヶ月、梅雨も日本を去ったようだ。

雨上がりの大通り、ひとりボッチの私。

 

ふと残り少なくなった20歳の自分に想いを馳せる。

19歳の私は悩んでばかりだった。

なんのイタズラか、1年前の今日

故郷から離れた本屋さんで人生を変える本と出会った。

ほどなく、自分を探す旅であるモーニングページを始めた。

 

「信じたい、自分だって面白い人間だと」

 

ノートを開いて思わず書いた言葉だ

 

そこから、東北に2ヶ月間移住したり社会人で大学に入ったり

仕事で少しずつ自分を認めて貰えたり。

ときには枚数が減ったり、疲れや不安で字が幾分小さくなった日だって

いつか好きな自分になれることを信じて

旅先でも空っぽの自室でもとにかく書き続けた。

もうノートも3冊目だ、随分と長く短い旅路

大小様々な幸せは何気ない日常の片隅に転がっていた。

「楽しく生きる人生を歩めばいい」

人生は数寄だ、誰もが同じ惑星で時を過ごし別の物語に生きている。

ただ、語り手は自分しかいないのである。

不安だらけの日々でも小さな喜びを見つけるようになった。

沢山の旅人と出会い、自分を表現して友達になった。

きっと1年前には描けなかった物語だ。

でも今の人生は少しだけ好きだ ―

 

拝啓 21歳の自分へ